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第2回「一本のひも」

私は元気になりたいときは、温泉に入るのですが、その時に思い出す話があります。
モーパッサンの短編小説に「一本のひも」という話があります。

ある農夫が、あるとき村の混雑するマーケットで一本のひもを拾うのです。ちょうど、その日のそのあたりで財布をなくした人がいたのです。そして、何かを拾った農夫が疑われる羽目になったのです。

近くの町の警察まで連れて行かれますが、そこで拾った一本のひもを取り出して見せたのですが、それでも信じてもらえませんでした。
ところが、翌日財布は見つかり、同時に濡れ衣も晴れるのです。人々は農夫にあらぬ疑いを掛けたことをけろりと忘れてしまうのです。

しかし、その農夫だけは違っていました。以後、長い年月を彼は畑を耕す事を忘れ、一本のひもを拾って、濡れ衣を着せられたこと、ひどい仕打ちにあったことを人々に話し続けたのです。

最後に死ぬ時も、農夫は一本のひものために人生を無駄にしたことをののしりながら、さびしく息を引き取ったという話です。農園は荒れ放題になっていました。

自分だったら、そんな“ひもきれ”など拾いはしないと思うかもしれません。しかし、本当に一本の“ひもきれ”も拾っていないと言い切れるでしょうか。というのは、私たちは、知らず知らずのうちに何本ものひもを拾い、後生大事に抱え込んで、やる氣を失っている事が多いのです。

前に働いていた会社での不平不満をその後の人生でも話し続けたり、「上司がもう少し、わたしの能力を認めてくれたなら・・・」とか、子どもが「先生の教え方が悪いから、国語や数学が嫌いになった」とか、「あの人が、もっと私の気持ちをわかってくれたら、こうはならなかったのに」などといろいろなひもを拾っている内に、だんだんやる氣を失っていくのです。ひもが首にまとわりつき、息苦しくなり、最後には息ができなくなってしまうのです。

そこで、そうしたひもを思い切って捨ててしまい、「よし、今日もやるぞ!」と自分を励ましてみると、日曜日でも朝からやる氣が起きます。

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