自分の中にもう一人の力持ちがいる。

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WIN/WINの誤謬(ごびゅう)(Fallacy)

X側  Y側
ケース 1.    WIN    WIN
ケース 2.    WIN    LOSE
ケース 3.    LOSE    WIN
ケース 4.    LOSE    LOSE
よくWIN/WINという言葉が使われていますが、そこに誤謬(ごびゅう)
(間違った考え方)もあることを理解する必要があります。WIN/WINの
関係は、一見理想的な問題解決や交渉のあり方と考えられます。

しかし、人間社会で、その均衡に到達するには、それぞれの目標や目的のレベルを下げて、妥協しなければならない場合もあります。

また、現実には、そうした妥協点に達するには口でWIN/WINと言うほど
簡単ではありません。ケース2やケース3にあるように、片方が譲ってしばらくはLOSEして、相手に勝ってもらう、あるいは相手に花を持たせて、こちらが
我慢する場合もあります。AIA・心のアドベンチャーでは、その時に忍耐力
カードを使うことがあります。

子育てでも同じです。生まれたばかりの子どもを育てるのも長い親の愛情と
犠牲的精神が必要になることがあります。あるいは、長期でWINするために、今はLOSEする関係もあるのです。新入社員を育てて一人前にするのも先輩
の指導が必要になります。その間は、WIN/LOSEのような関係になりかねな
いのです。

ダイナミックな人間関係では、片方が譲ったり、忍耐しなければならない場合
があり、ただWIN/WINという均衡点を求めるだけでは、問題の理想的な
解決にならない場合があるのです。

なお、Triple Win という考え方もあります。「三方(さんぽう)よし」です。これは、WIN/WINにするには、もう一つのパートナーを加えることによっ
て、難題を解決する方法です。

AIA・心のアドベンチャーでは、「わが身かわいさから脱皮する」という考え方
を学びました。両方で権利を主張して均衡を発見するという考え方(Antinomy
の欧米的発想)が行き過ぎるということは、X側とY側の連関性を重視して問題
を解決するという東洋的発想とは異なるともいえます。

AIAでは、忍耐力というカードを3枚受け取ります。それは、WIN/LOSE、
LOSE/WINの関係に耐える自己コントロール能力を身につけることにあると
いえないでしょうか。

また、勝ち(WIN)か、負け(LOSE)かという二元的、表面的考え方で
物事をとらえる発想そのものに、人間的成長を阻害する要因があるかも知れま
せん。

さて、それでは、最後のケース4のLOSE/LOSEの場合はどうでしょうか。
勝ち組と負け組に単純に分類する社会では、最悪のケースと思われます。
しかし、お互いに負けることによって得られることがあるとしたら、それは
どんな場合ですか。そうしたケースもダイナミックな人間関係ではあり得る
のです。


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