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feed 「わが身かわいさ」が邪魔をする(2) (2009/9/8 14:33:41)
仕事上の「わが身かわいさ」 あなたは、部長から指名されて、社員の再教育のプラン作りに取り組んだとしましょう。一週間というもの、毎晩残業を続けましたが、それでも間に合いそうにありません。週末も土曜日の朝早くから、日曜日の夜遅くまで、自宅でこの作業にかかりっきりでした。 月曜日の朝、あなたは急いで出勤し、仕事の最後の仕上げをしました。そして夕方、レポートの原文と2部のコピーを、部長の机の上にうやうやしく置いて退社しました。 翌朝、あなたは特に念入りに身なりを整えて家を出ました。早めに会社に着くと、自分の机の上を片づけ、今日という素晴らしい一日に備えました。 やがて部長が出勤してきて、自分の部屋に入りました。あなたの胸は期待にふるえました。ドアが勢いよ く開き、部長がニコニコしながら、よくやった、という顔つきで出てくるのを、今か今かと待っていました。こうして1時間がすぎました。2時間経ちました。あなたは、休憩時間になっても、席を離れませんでした。部長から呼ばれた時、席にいたいと思ったからです。専務が部長の部屋に入りました。さあ、きっと何か起こるぞ! そのとおりでした。1時間後、専務と部長は、連れ立って部屋を出て昼食に行ったのです。 しばらくして、二人は戻って来ました。まだ何事か熱心に話し合っています。二人があなたの机のところで立ち止まり、君の作ったプランはよくできている、採用するつもりだ、と言ってくれる……と期待したのですが、二人はあなたに言葉もかけず、素通りして行ってしまいました。 だが待てよ。きっと部長室へ呼ぶつもりなんだ。通りすがりにほめるよりは、部屋でご苦労さんと言うほうが、ずっと丁重な扱い方です!きっと、そうするつもりなんだ!案の定、しばらくすると、部長室へ来るようにという伝言が来ました。 あなたは、胸をわくわくさせ、晴れ晴れとした顔つきで、ドアを開けました。「何かご用でしょうか」 「君のレポートだがね、せっかく書いてもらったが、予算が削られそうなので、もう少し様子を見ることにするよ。それに、もっとあっさりした内容でよかったんだ」 「そうですか」と言って、あなたは部屋を出ました。部長の話を聞いて、初めは憂うつになり、落胆し、失望しただけだったのが、やがて、それが、不満、怒り、批判、非難へと変わっていきました。 あくる日、あなたは午前中の休み時間に同僚と外へ出ました。 「この会社の将来が心配なんだ」。コーヒーを飲みながら、深刻ぶった顔で話しかけました。「これま でにも、才能ある人たちが大勢、辞めていった。今いる連中の間にも、不満がみなぎっている。経営者たちは、社員が何を求めているのかに全く鈍感だ。彼らが、今のうちに対策をたてないと、大変なことになるぞ。いやね、ぼくは個人的な不平不満があって、言っているんじゃないんだ。会社を思えばこそなんだ」 会社の将来が気になるんだって?もっと正直にものを言ったらどうでしょう!あなたは、自分がかわいいのです。期待していたような扱いを受けられなかったことに、こだわっているのです。高く評価され、ほめられると思っていたのに、すっかり当てがはずれただけなのです。 あなたのこうした態度の裏にあるのは、「わが身かわいさ」でする。人間関係で、不愉快な思いをする時、自分の気持ちを、一つひとつ検討してみると、心の底に必ず「わが身かわいさ」が働いていることに気づくことでしょう。 たとえば嫉妬は、他人の愛情や注目を自分に引きつけていられるかどうかが心配になって、起きます。疑惑は、あなたの将来がどうなるのか不安な時に、芽生えます。恥ずかしさや劣等感は、人からどう見られているのかが気がかりになった時に、生まれるのです。 こうしてみたら、どうでしょうか? では、それをコントロールする方法は、あるのでしょうか?もちろん、あります。「わが身かわいさ」の感情を、ある程度まで克服した人を観察するのです。リーダーとか、有能なマネジャーとか、人づかいが上手だと言われている人たちです。彼らは、たいてい、自分自身のことよりも、他の人の感情に、より細かい心遣いをしています。 実際、優れたリーダーシップを身につけたいなら、心の中にある「わが身かわいさ」を「他の人への思いやり」へと切り替えればよいのです。その切り替えが進めば進むほど、人から好意的な反応が得られます。そのためには、まず、あるがままの自分を見つめなければなりません。えこひいきされたり、甘やかされたり、機嫌を取られたりしなくても、立派にやってゆけるという自信を持つ必要があります。お客様に断られてもうらんだりしない営業担当者、部下の批判を聞き入れる上司、妻(夫)の幸福を思いやる夫(妻)――人をリードし、勇気づけるのは、こうした人たちなのです。 次に、具体的な助言と提案をいくつかあげてみましょう。(次回に続く)

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