自分の中にもう一人の力持ちがいる。

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feed あなた自身を理解するもう一つの方法(1) (2009/10/2 13:49:41)
あなたは、大学院の博士課程にいると仮定します。午前中は学校に行き、午後はあるホテルでベルボーイをして働いています。あなたの町で大きな会合が開かれることになりました。ホテルのロビーはチェックインするお客様でごったがえしています。もうとっくに勤務時間は過ぎているのですが、もう一人お客様の仕事を片づけてから終わろうと思いました。 そして、両手に重い荷物を持ってエレベーターに向かおうとした時、お客様の一人があなたの肩をたたきました。「おい、もう10分もボーイを待っているんだぞ。俺のカバンを運んでくれ」。 もう両手は別のお客様の荷物でいっぱいです。そこであなたは、「承知しました。ルームナンバーとお客様のお荷物がどれか教えてくだされば、これが終わり次第、お部屋にお持ちいたします」と答えました。 お客様は、「611号室で、カバンはあそこだ」と壁ぎわにあるいくつかのスーツケースを指しました。 やっと前のお客様の仕事を終え、611号室にたどりつきました。ところが、「これは俺の荷物じゃないぞ。茶色のカバンだと説明したはずだ。お前は頭が悪いんじゃないのか。早く下に降りて、俺のカバンを持ってこい」と怒鳴られ、ドアをバタンと閉められました。 あなたは一階に降りると、仕事を途中で止めて、そのまま腹が煮えくりかえる思いで、夜の冷たい風の中を家に向かいました。 さあ、これであなたの行動はよいと言えるでしょうか。なぜなら、あなたは論理や理屈ではなく、感情に支配されているからです。 論理と感情 人はいつも、論理と感情という力の作用を受けながら生きています。往々にして、この二つの力は感情の影響を受けると言えます。幼年期、少年期は感じるままに行動してきたはずです。 赤ちゃんの頃は泣きたければ泣き、笑いたければ笑ったものです。そして幼・少年期になると、感ずるままに笑い、走り、遊び、叫び、けんかをし、また抱きついたはずです。その中で、どういう感情がよい結果を生み、またどういう感情が悪い結果を生むのかを学んできました。 ところが、ある感情はよくないと知りながらも、「感じたとおりに行動するぞ」という心の奥のささやきに負けてしまう場合が、あることも事実です。 多くの感情は、成長していく段階で学び得たものです。例えば、「叩かれたら、叩き返せ」という言葉を聞く中で、人に復讐したいという感情や怒りを身につけたわけです。 人と成績や能力、話し方、身体的特徴等を比較される中で、不安や劣等感を感ずるようになります。 このような成長過程で、あなたは感情的行動はなるべくコントロールしたほうがよいと理解しました。 感情的な行動といっても、ほとんどは悪いことでなく、悪いのはその中のごく一部の行動だったはずです。そして、あなたはある種の感情をコントロールし、外に出さないようになったのです。 権威あるものから受ける影響 自分の感情をコントロールすべきだと思うようになった原因の中に、両親や先生、兄姉、地位の高い人などの“権威”を持つ大人たちの影響をあげることができます。こういう人々は、あなたに説教をしたり、食事を作ってくれたり、何かを教えたり、批判したりした人々です。彼らはあなたを愛し、そして、あなたを躾けました。 大人たちの言うことが、理解できなかったこともあるはずです。きっと筋のとおらないものもかなりあったでしょう。しかし、こう考えれば理解できるのではないでしょうか。つまり、大人たちは、「あなたは私の思うとおりに行動するんだ」という、心の中のささやきに反応しただけなのです。いつの日か、あなたも人の親となり、人を教育したり、命令を下したりする立場につくことでしょう。 さて、その日がやってきました。あなたは、もう大人です。くたびれてイライラしているところに、隣の部屋の子供たちが、ワーワー騒いでいます。そこであなたは、「いいかげんにしなさい」と叫ぶでしょう。すると、隣の部屋から「なんで怒るの? 何もしていないのに…」と返事が返ってきます。あなたは、「うるさいっていったらうるさいのよ。親の言うことは聞きなさい」と叱るでしょう。 あなたは学校の先生です。生徒の一人が、1812年戦争はもしかしたら1811年にすでに始まっていたんではないか、始まっていなかった証拠はあるのかと、後から後から奇妙なことばかり聞いてきます。あなたは、その生徒を廊下に出すことによって、何とか授業を進めようとしました。もしかしたら、その子は隠れた才能を持つアインシュタインのような天才かもしれない。だから、あんなに物事に疑問を持つのかも…なんてことは、あなたには、さほど重要ではありません。要するに、あなたの感情が一番大切であって、その生徒は、あなたをいら立たせただけなのです。

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