自分の中にもう一人の力持ちがいる。

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feed 意欲の源泉は何か―その9「結果か過程か」 (2014/6/24 14:41:09)
子どもとのやりとりで、次のようなケースの場合、あなたならどうしますか。 あなたは、小さな町工場を経営しています。零細企業なので、土曜・日曜日でも 休まず仕事をするのは珍しくありません。 ある日曜日のこと、息子を自分の工場に連れて行って作業場を見学させながら 仕事をしていました。その帰り、息子はカー・アクセサリーの店の前で、立ち止まりました。 彼のお目当ては「ポケット・バイク」でした。 三輪車なみの小さなオートバイですが、本物の小さなエンジンで走ります。 レースもあるそうで、「五歳の男の子が優勝したんだよ」と、息子はどこかで仕入れた 知識で私に解説してくれました。値段は三万円ちょっと。これを欲しい、というのです。 子どもの遊び道具にしては値段も高いし、何といっても危険だからと説得して、 息子もあきらめたものと私は思っていました。ところが、息子は後日、条件闘争に出てきたのです。 「お父さん、ぼくが二学期に頑張って、成績が全部『大へんよい』になったら、 ポケット・バイク買ってくれる?」。 小学二年の息子の成績は、「がんばりましょう」「よい」「大へんよい」の三段階評価方式。 全科目で最上級の評価をもらったら──というわけです。 さて、こんな場合、皆さんはどう答えますか。三万円という値段が零細企業の経営者にとって フトコロがいたむ金額かどうかは別として、子どもが「やる氣」を見せているのだからと、 その提案に乗る人の方が多いのではないでしょうか。父親としては、仕事で忙しい中で 子どもとのやりとりに時間を取られるより、多少の出費は伴っても、この方が手っ取り早いからです。 しかし、こうした条件付きで子どもが勉強を頑張るのは、実は手段なのです。 本当の目的はプレゼントをもらうことにあるのですから、勉強の「本来のやる氣」とは いえないわけです。この条件付きのやる氣の喚起は、アメとムチによる「賞罰教育」といえます。 これはインセンティブ・モティベーション、外からの報酬を与えてやる氣を起こす方法になります。 それに対して、アティテュード(Attitudes)・モティベーション、心構えを変えることにより やる氣を起こす方法は、何のために勉強や学問をするのかを考えさせるのです。 手段ではなく本来の目的に目を向けさせるのです。そして、「結末」だけで賞罰を与えるのではなく 「過程」をよくみて、進歩の可能性に目を向け勇気づけることが、子どもの内面からやる氣を 起こさせるのです。 この父親は、「今は買ってやると約束もしないし、絶対に買わないとも言わない。二学期の成績を 見てから考えよう」と答えました。 何事にしろ、やるだけのことをやって実績を見せるということの重要さを、息子にも早く分からせたいと 思ったようです。さて、これで、子どもは心の中からやる氣を起こすでしょうか。 あなたならどのように言いますか。

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