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feed 今なぜ、志(こころざし)が必要か! (2010/1/7 16:17:05)
一昨年のリーマンショック以来、不況の底が見えない状態が続いていますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。 昨年起こった米・自動車製造大手のゼネラル・モーターズ(GM)の経営破綻。米政府による実質国有化で再建を目指すことになった巨大企業・GM破綻の衝撃が世界に広がりましたが、なぜこういうことになったのか…。 「20世紀を牽引した米国型の製造業ビジネスモデルの幕引き。GMの危機は日 本企業も人ごとではない」《日経》 「努力をGMは怠った。覇者の驕(おご)りの教訓は日本勢も無縁ではない」《朝日》 「目先の利益ばかりを追いかけ、新技術の開発を怠り…行き着いた先が政府丸抱 え」《産経》 などと、当時、マスメディアは、連日大きく取り上げていました。そこから読み取れることは、志(こころざし)の喪失と企業家精神の崩壊がもたらす悲惨な姿ということではなかったでしょうか。 メディアは伝えています―。「GMは新たな市場を求めるよりも、過去に手に入れたものを守るのに懸命だった」。五年ないし十年先を展望することもなき、戦略的志(こころざし)を欠いた経営・ビジネス展開の結果だったのでしょうか。 ビジネスの軸足は、「継続可能な安定成長」から、より厳しい「存続可能な成長」が遂げられるか否かのパラダイムへと移ったといえます。こうした状況で、経営者は短期思考になりがちです。だからこそ「高い志(こころざし)が必要」なのです。 GM破綻が象徴するように、日々怒涛のごとく変化する世界の経済状況。そのなかで今、二つの経営スタイルが対立していように見えます。企業家的経営と官僚的経営のぶつかりあいです。大企業のほとんどは、官僚的経営スタイルを取る経営者によって管理される傾向が強いともいわれます。 我が国でも、いわゆる「サラリーマン重役」が増えています。企業家(企てる事業家)というより、目先の安全と安定に力点をおきがちな、つまりは官僚的経営スタイルをとりがちな経営幹部が多くなる傾向があります。 私どもは、この対立する「企業家的経営スタイル」と「官僚的経営スタイル」の概念をE-Bスケールと呼び、一方の端に企業家精神旺盛なE(Entrepreneur)が、他方の端には官僚的経営スタイルの強いB(Bureaucrat)をそれぞれ対置させています。経営幹部の経営スタイルはこのE-Bスケールのどこかに位置しているはずです。 問題は、官僚的な経営スタイルに偏りすぎた経営者が、企業家精神にあふれた人財の能力をコントロールできず、企業の成長の可能性を抑制しがちなことです。企業家精神には、失敗を恐れず、自らの運命を切り拓いたり、自分の潜在能力をより積極的に活かす行動を起こしたりすることが欠かせません。 南カリフォルニア大学で企業家精神学部を新設したR・H・ブスカーク博士(故人)は言っていました。「新しい企業を起こす人たちの半分以上は、高校すら卒業してない人たちだ。学歴が高くなればなるほど、失敗を恐れない態度が失われ、行動力も鈍くなる可能性が高い」というのです。 先取の精神を持った行動力には、先入観や既成概念の打破が欠かせません。勇気、忍耐力、自信、希望といった深い感情とエネルギーの蓄積が行動を起こす源泉になります。 リスクに対しては、リスクから生じるマイナスをプラスに転じる知恵と勇気によって克服する。そういう「前向きな心構え」を支える柱ともなり、不可能を可能にする心的エネルギーは、志(こころざし)を持つことによって生まれるのです。 生きがいと働きがい 自分にとって社会や組織は何を意味するのか。人生で自分は何をしたいのか。そのためにこれからの自分は何をするのか、出来るのか。日本の啓育(education)では、こうした生き方思考を訓練する機会がほとんどなくなっています。志(こころざし)や気概、責任感や使命感が、わが国の社会から急速に失われている理由のひとつが、そうした機会がなかったということです。 このままの状況で放置しておけば、経営幹部の企業家精神と日本企業の活力が、ますます後退していきかねません。 今、速やかにやらなければならないことは、志(こころざし)を持った人財の育成です。そして自らの生き方と企業家マインドを見直し、短期だけでなく、中長期にわたって企業を存続可能にし、価値の伝承を責任をもって次世代に行える、そんな自信にあふれた経営幹部の育成です。 それなくして、「覇者の驕(おご)り」は防げません。

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